京都大学名誉教授 医学博士 和田 洋巳先生
経歴
京都大学医学博士
京都大学胸部疾患研究所、京都大学再生医学研究所を経て、
京都大学大学院医学研究科器官外科教授
現在は、京都大学名誉教授。からすま和田クリニック院長
著書に『がんとエントロピー』(NTT出版)
『がんに負けないからだをつくる』(春秋社)ほか
和田先生が弊社会長について書かれたコラム(H22.4発行)
八坂さんの食事療法に対する執念

 この2年間でいろいろな方を診てきました。
その中で特に末期の方。「何もすることがありませんよ。」と言われた方を多く診てきました。
そういう方のほとんどが、癌の進行に従って免疫機能が悪くなっていることが分かってきました。

 そこで、「この末期のかたがたのような方向に行かなければ癌の再発はないのではないか・・・
再発を防げるのではないか。」 「そこに行かないようにすればいいのではないか?
癌が住みにくい体にすればいいのではないか?」と考えるようになりました。
このことは、まだ完全に分かっていないので少しピントはずれの話になるかも知れません。
しかし僕がなぜこういうことを考えついたのかということをお話します。

 人間の体の発生とその成長、老化死亡に至る過程はどのようなものかということをアービン・シュレディンガー(オーストリア、1887-1961、理論物理学者)著の『生命とは何か』を読んだ時に考えてみたのです。

 人間の体というのは基本的に若くて元気な頃には癌がないわけで、長年のストレスなどで起こってくる。その経過を示す指標があると考えました。
そのひとつが免疫機能であるだろう。この免疫機能については、これまでの標準的癌治療において比較的無視されてきました。
しかし患者さんはこれは大切だと本能的に感じていることが分かります。こういうところを考えた上で癌治療をすればいいだろうと思ったわけです。
一般的に今の癌治療では、癌ができてしまえばそれを無くすために体力の限界までの治療を繰り返すことが多々あります。その多くの場合は抗癌剤を使います。
これで癌が消えればいいのですが、消えない場合が多くある。これでいいのかと思うようになりました。

 「癌が住みにくい体に変える。」この様な体を作るために必要な食事を八坂正博さんは身をもって具現してきました。彼は9年前からの私の患者さんで、手術のできなかった肺癌を持って今も元気に社会活動をしています。
彼が自分の経験を含め勉強してきた『癌の住みにくい体作りのための食事』を皆さんに広く勧めてみたいという情熱はなみなみならないものです。

和田先生のご著書を一部ご紹介
がんとエントロピー
「からだ力」で立ちむかう
  • 2011年 第1刷発行
  • 著書:和田 洋巳
  • 発行:NTT出版株式会社
『付録 症例集』から一部抜粋
症例1 「からだ力」を上げる食事療法が成功した進行性肺がんの男性
弊社代表について記載されています!
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現在五九歳になるYさんは、五〇歳でがんが発見された当時は、五年生存率10%未満というステージ3Bにまで進行しており、手術することが不可能な状況でした。(以下、略)
このYさんはすでに10年間生存しており、現在は経営者として多忙な生活を送っています。ステージ3Bの肺がんの患者さんとしては奇跡的な回復ぶりだといえるでしょう。
(以下、略)標準がん治療では病状がなかなか好転しなかったYさんは飢餓療法の一種である甲田式の玄米生菜食を実践しました。飢餓療法とは、栄養を制限することでがん腫瘍の拡大を防ぎ、がんが自然消滅することを狙う治療法です。 ※詳しくはこちらでも紹介されております。 この甲田療法は食事の楽しみを諦めなければならないので、かなり実践が難しい治療法です。現在Yさんは他の患者さんにこの食事療法の指導を行っていますが、食事のつらさに音を上げる人も多いです。(以下、略)
ステージ3Bの肺がんの場合、抗がん剤治療などによる5年後の生存率は0から5%程度なので、Yさんのケースは極めて稀だといえます。甲田式食事療法や雲南イチイのお茶、ニチニチソウなどを活用することで、免疫力や抗酸化力を高めていったことがこのような結果を導いたと考えられます。
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がんに負けないからだをつくる 和田屋のごはん
  • 著書:和田 洋巳/長谷川 充子/樫 幸
  • 発行者:今井 章博
  • 発行:株式会社 WIKOM研究所
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~和田屋からみなさまへ~
私は永年医療の現場の第一線で肺癌外科治療を行ってきました。
どのように手術をして手を尽くしても再発する方が半数近くいることを経験していると、 何か原因があるのではないかと考えるようになりました。
大学を定年退職し、残る医師人生はこの原因を解明するのに懸けようと思い、七年が経ちました。 (以下、略)多くのがん患者さんの中には、普通ならどう考えても再発するであろう方が何ごともなく再発もなく経過している、いわゆる“がんサバイバー”という方がおられます。このような方々の中にその答えがあるのかと考えて患者さんの話を聞き、いろいろと調べてきました。これらのほとんどの方が「食事療法」を実施されていました。
その内容を調べれば調べるほどに食事でからだが変わることがわかってきます。
「食」がどれほどからだにとって重要な役割をしているかということ。
現在の一般的ながん治療では特に抗がん剤治療では、食事指導はほとんど行われることがなく何でも精のつくもの・元気が出るものを好きなように食べなさいということがほとんどです。 しかしながら、がんができたときの食事のままでは、つまりがんにとって都合のよいからだのままでは、がんは決しておとなしくなりません。(以下、略)
これらを治すため、がんではない健康なからだの血液や尿の検査のデータのパターンに戻すように、からだの中で「がん特有の代謝メカニズム」を働かせないような食事や生活の指導を続けていくと、その患者さんはからだが元気になりがんが縮小し再発ががぜん減少してきます。また、抗がん剤の効果が出やすくなり、抗がん剤の副作用も軽減したりします。現在健康だと自覚されている方でも、もし血液検査のデータが、がんになる方向に向いてきているならば、生活指導・食事指導を行うことで安全な状態に戻すことができます。
食事を変えることでからだを整えることから自分の病気を治す・がんをおとなしくさせることができれば本当にうれしいことです。この本でそのことを勉強していただければ私たちの大きな喜びです。
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がんに負けないからだをつくる
  • 2013年 発行
  • 著書:和田 洋巴/松本 恭
  • 発行:春秋社
山ライン